いじめによるトラウマは消せる?親ができる具体的な関わり方【体験談②】

いじめ

子どもが癇癪を起すと
以前、嫌な思いをした場面を口にすることがあります。

「いじめによるトラウマは、この先も消えないのではないか」

時が経てば忘れるのか、
それとも一生残ってしまうのかーー

私は4人の子どもを育てる中で、
いじめ・心の傷・摂食障害・不登校と向き合ってきました。

長女(26歳)はいじめ被害にあった時、
そのストレスが
暴力に向かい物を壊すタイプ

そして次女(24歳)は
じっとこらえて誰にもわからないように振る舞い、
陰でこっそり拒食症という病(摂食障害)に逃げるタイプ

娘二人は今は心の傷は回復しています。

でも、次男は今現在もトラウマの中で苦しんでいます。
いじめを許してはいけない。

この記事では、
いじめによるトラウマを抱えた子どもに対して、
親ができたこと・できなかったことを体験談としてお伝えします。

▶この記事は「いじめ・不登校を生まないために親ができること【体験談シリーズ】」の一つです。
シリーズ一覧はこちら

いじめの正体とは【親が知っておくべきこと】

娘たちのいじめ体験から教わったこと

長女のいじめ被害

長女が中学三年間、
女子バスケグループの子達からされた嫌がらせは、
コソコソと悪口を言ったり、
身体を侮辱するうわさを流す等でした。

小学校6年間仲良くしていた親友が
中学校では一緒に女子バスケ部に入ろうと誘いましたが、
長女は幼い頃から習っていたクラシックバレエを続けていく為、
部活には入りませんでした。

その時から女子バスケグループからのいじめが始まりました。

一人のときは何もせず、
複数人で集まった時に指を指したりチラチラ見ながら嘲笑うのです。 

クラス替えで考慮してもらっても
廊下で笑い、
クラス合同授業で笑います。

長女はそのストレスを宅習で先生に伝え、
クラスの友達に伝え、
家で私に怒りを伝え、物に当たる。
そうやって、3年間を耐え抜きました。

中学3年の終わりに、
いじめの主犯者と長女、先生達で話合いをした事がありました。

先生が「どうして欲しい?」と聞いたので
長女は
「私の前から消えて」
と言い放ちました。

主犯者は形だけの謝罪だったと思います。
謝られても今までの苦しみは1ミリも消えません。

その後高校受験では、
中学の成績がトップレベルだった長女は、
一般の人が滑り止めで受ける高校を専願で希望しました。
その高校が大正解。
以後一切加害者とは会っていません。
長女は相手の姿を自分の視界から消すことに成功しました。

中学3年間は険しい表情を見せていましたが、
高校に行きだすと顔の表情がゆるみ、
家でもいつも思い出し笑いしている子になりました。
また、高校生活でたくさんの友達が、
長女の人間性に価値を認め、求めてくれていました。
恵まれた環境で、純粋な人にも恵まれました。
これが自信となって、高校卒業後すぐに海外留学し、
26歳の今もチャレンジを続けています。

次女のいじめ被害

長女は腹の立つこともうれしいことも
口に出すのでわかりやすい子です。

それに引き換え、次女は何もしゃべりません。
小さい頃からたくさんの意地悪なことをされたと思います。
私はほんの一部しか知りません。

あるとき、みんなでお絵描きをする時間に
彼女は真っ黒と少しの黄色で画用紙を塗りつぶしたことがありました。
先生が「何か思う事があるのかも」と心配しました。
普段は陽気で
親戚の集まりでは人を笑わせる事をするので
”クラスの人気者”だと思われていたほどです。

運動神経も抜群で、目立つ要素が多かったのですが、
学校だけは控えめだったので
「出る杭は打たれる」と自覚していたと思います。

ある日、親友がこっそり私に教えてくれたのは、
買ったばかりの筆箱がマジックペンで塗りつぶされ、
えんぴつも短いものと交換させられていたことでした。
次女は黙ってました。

個性が豊かだと生きづらい世の中だ。
やりきれない気持ちでした。

我慢強い次女の苦しみは
私の知らないところでずっと続いていたと思います。

中学に入ってからは、拒食症との闘いでした。
3歳からクラシックバレエにのめり込んでいた次女は
バレエの世界でもいじめと戦っていました。


その後、いじめから逃げるために
バレエの名門高校へ進学、
次はバレエ留学と居場所を変えましたが、
常にいじめと拒食症か付いてまわりました。

そして、19歳の時、選んだ道はダンス専門学校。
そこではじめて
バレエが得意な次女が認めてもらえる経験ができたのです。

みんな得意なジャンルを認めあう場所。
ここでやっと仲間ができました。

次女は今親友に囲まれて、夢に向かって努力しています。
次女は地元の親友は一人だけです。

いつも次女を大切に思っていじめを見たら教えてくれた聡明な子。
彼女もまた、素敵な夢に向かって輝いています。

恐ろしいいじめから逃げるのは「正しい選択」

二人の子達の事例から私は「いじめの程度によっては戦わせず逃げたほうがよい」という判断もあると思います。

  • いじめ被害が続く間はずっと心と身体が傷ついている。
  • 高校までは心が幼い子が多く、
    他人を傷つけている自覚がない。
  • 目標や夢が同じ集団だと、
    ライバルとなり、いじめの標的にされやすい。
  • いじめのない環境が別のところに存在するかもしれない。
  • 時代が変わりSNSが刃となり、
    心の被害の大きさが未知である。
  • 何度も被害にあう場合は環境が悪いので、
    世間一般が求めるこだわりを思い切ってやめてみる。

いじめによるトラウマを抱えた子どものために親ができること

いじめが発生した場合、
まずは、被害者を救うことが大切です

加害者への対応は後回しになっても仕方がないと思っています。
なぜならそれは、
被害者にとって大きな負担となり
益々被害者が疲弊していくことも考えられます。

また、個人で対応できる事ではなく、
社会で対応していく事だとも思います。
私は周りの多くの人に助けてもらい、
加害者の行動を
皆で一緒に考えていきたいと思います。

では、親が子どもに対してできることは何か。

  1. 被害に遭った場所から離す
  2. 新しい環境を用意する
  3. 子どもの特性を理解する

❶被害に遭った場所から離す勇気

上二人の子ども達の時はできませんでした。
それゆえに、被害が続いてしまったのかもしれません。

時代はあのときからはずいぶん変わりました。

次男の時代はスマホがあります。
朝から晩まで、LINEで時間を縛られています。
ほとんどが悪意のないたわいないものですが、
次男の場合のように
脅迫文が紛れていることがあります。

見えないところでいじめに遭って
LINEを親に見せられないかもしれません。
消してしまうこともあるかもしれません。

今は、昔と違って
家に帰っても被害が続いているのです。
学校は「SNSのトラブルは各家庭の責任」として関わりません。
クラスLINEやグループLINEでがんじがらめになるのが今の子どもたち。
そこから抜け出す為には、
今の環境から離れるほうが良いと考えています。

❷新しい環境を用意する

環境を変えるには、今の友達や先生と離れなければなりません。
加害者とは離れたいけど友達とは離れたくない。
次男もその葛藤が長く続きました。
私はこう伝えました。
「本当の友達だったら離れてもずっと友達だよ。
また次の場所でも友達が待ってるよ。」

次男の葛藤は半年続きました。
3ヵ月間学校へ行かずに過ごしたのですが、
友達に会いたくなり
担任の授業だけ行ってみることにしました。

友達が寄ってきて「帰らないで」というありがたい声。
でもその向こうから聞こえる
「ずるい」、「弱い」という幼い言葉。
結局悪い言葉だけが耳に残り、
学校へ向かう恐怖が膨らんでいきました。

日に日に身体は重くなり、
家からなかなか出られなくなる。
やっと着いたら
担任の授業残り15分。
どんどん、どんどん
恐怖に襲われ
力を振り絞って学校に着いたのが
担任の授業残り3分だった時に
「もうここに来るのはやめよう。次を探そう。」
と次男と一緒に決断しました。

次男はフリースクールを選択しました。
それはとても勇気がいる選択でした。
私たちにできることは次の行先を親が決めるのではなく、
たくさん探して選択肢を広げることだと思います。
子どもの無限の可能性を信じて突拍子もない選択肢も提示します。

❸子どもの特性を理解する

今まで、大勢の輪の中にいて楽しそうだった次男は今、
「3人以上人がいると苦しい」と言います。
これもいじめの後遺症だと思っています。

「たくさんの友達と遊ぶことは楽しいことだ」
という私の思い込みも今は間違っていると感じます。

次男は、他人に気遣いをするHSC(過敏感な子ども)の気質があります。
たくさんの友達と関わることは、
他人の何倍も神経を使い、
疲れや傷も計り知れないほどです。 

様々な私の思い込みは次男には全くミスマッチでした。
私は「一般的には…。」という考えを捨て、
次男にしっくりくる生き方を開拓しようと思います。
型にはまらない生き方を選択する。
一般人とは違う道。

目の前の壁がなくなり視界が開けた気がしました。

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いじめの苦しみから抜け出す瞬間は必ず来る

娘二人を苦しみから救ってくれたのは、
親友、先生との信頼関係だったと思います。

周りの子が幼いため、
自分の価値を隠して生きてきた二人は、
隠さずそのままを受け入れてもらい
尊重されたときに、
やっと自分に自信を持って生きていけるようになりました。

幼い頃は形だけの友達関係であることが多いです。
量より質という言葉通り、
たくさんの友達を作るという言葉に惑わされないように気を付けたいです。

いじめのトラウマを解決する為に必要なのは、
「自分の価値を認めてくれる人との新たな出会い」 
であると思います。
今すぐに実現できることではありませんが、
様々な選択肢を
先入観を捨て、次男と一緒に探していきたいと思います。

もし今、
いじめによるトラウマで苦しんでいるお子さんを支えている親御さんがいたら、
ひとりで抱え込まないでください。
多くのひとの温かい手を借りて、子どもは必ず回復していきます。

さいごに

トラウマは、完全に消えるものではないかもしれません。

でもーー
「その記憶に縛られない生き方」
は、必ずあります。

娘たちがそうだったように、
環境が変わり、自分を認めてくれる人に出会えたとき、

子どもは、少しずつ、
”傷を抱えたままでも前に進める力”
を取り戻していきます。

だから私は、今も信じています。

次男も、必ず回復していくと。

いじめを生まないためには、トラウマのケアだけでなく、子どもにどんな価値観を伝えるかもとても大切です。
次の記事では「自分も他人も大切にする子育てについて考えます。

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